ちょっと前から行こう行こうと計画していた香川県の直島に行ってきました。
前日から泊りがけの、1泊1日半ぐらいなちょっと急ぎ足の旅でした。
フェリーに乗るので、朝に霧が出ないかどうか心配でしたが、朝を迎えてみるとすばらしい快晴!
今回も特に後半、いろいろありました。
● 懐かしい、海の上
朝の身支度になんだか非常に時間がかかってしまう私。
なんと5時半起きして、なんとか7時半に宿を出発できました。
岡山駅からバスに乗り、宇野駅。そこからフェリーに乗りました。
フェリー、私にとってはとても懐かしい乗り物です。
小中学生時代、家族で何度も出かけた宮島。
もちろん毎回フェリーで、鳥居を見ながら往復していました。
今回、直島行きのフェリーに乗って、もちろん階上の展望デッキへ。
潮風、ゆったりとした船の揺れ。
なんだかとても懐かしい、20分の海の上でした。
直島に上陸してからすぐにバスに乗り、地中美術館へ。
途中に見える町の中はとても静かで、でも明らかに自分の住む所とは違う明るさの光を浴びていました。
山の上にある地中美術館に到着し、チケットセンターからは「地中の庭」を通って美術館へ。
地中の庭はとてもよく手入れされていて、植えられた草花の香りがあたりに漂っていました。
入り口のショップを抜けて、天井がナナメになっている通路をくぐって、最初に行き着く空間には思わず声を上げていました。
ここでも、最初の通路でも、建物のいたるところで、上には真っ青な四角い空が切り取られていて、その「四角い青」がとても印象的。
そして、中に入って作品を見ていくと、モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリア、安藤忠雄の建物と、それぞれが「四角い青」にいろんな意味を込めたり、自分の持っている表現と戦わせてみたり。
とても緊張感がある空間ばかりだけれど、ずっとその中に居たいような心地よさもありました。
● 向こう岸は
地中美術館を出て、ベネッセハウスへ。
快晴だったおかげで、なんと瀬戸大橋も一望できるほど。
ベネッセハウスのバス停前で、ちょっと左手をみると、海の向こうに背の高いビルが3つ建っているのが見えました。
肉眼で見る限りは、真ん中に背の高いビルがあるだけでよくわからなったのです。でも、その建物のあるのは四国の方向。。。
・・・まさか、とは思いましたが、帰宅してからデジカメで撮ったのを確認したら・・・それはなんと、私の住んでいた高松の街だったのです。
Google mapで位置関係を確認してみると、まさにまっすぐ、直島と高松は向き合っていました。
今回、高松まで出てから行こうかとも企んでいたのですが、まさかあんなに近くだったなんて。
● ベネッセハウスにて
バス停から坂道を登るとベネッセハウス。
登るまでの途中の風景がとても良くていろいろ道草したので、参加しようと計画していたギャラリーツアーはすでに始まっていました。
ギャラリーツアーでは、作品の出来た経緯や制作中の話、ベネッセアートサイト全体の見所も聴きながら、時にはこちらから質問しながらの見学。
説明してくださった女性の方は、なぜか私の方をずっと見ながら話してくださいました。
それはどうしてだろう?と後で考えてみたら、一緒に聞いたお客さんは私以外みんなカップルだったから?かも。カップルの人たちはそれぞれで楽しんでいるので、ただ作品を見ることに集中している私は特に熱心だ、と思われたのかもしれません。
ほかの展示場所でも、女1人で見ている人って、意外と少なかったのです。
私が気に入ったのは杉本博司さんと野口里佳さん、ヤニス・クネリスの作品でした。
2Fのカフェにて昼食後は、ギャラリーツアーでも話の出た屋外作品をゆっくり鑑賞。写真もたくさん撮り、予定していたより長く、約1時間ぐらい見てまわり。
思えばそれが、もう、とにかく大変だった、午後への布石だったのです。
● 直島は木の実の島。
屋外作品を見終わり、さて、バスに乗って本村へ、とバス停に向かうと・・・目の前をバスが走り去って行きました。
ゲートにいた方から「歩いた方がいいですよ」と教えていただき、途方にくれながら本村まで歩きはじめました。
ちょっと雲ってきて寒くもなっていましたが、それが気にならないぐらい楽しかったのは、道のあちこちにいろいろな種類の木の実、草の実が見られたからでした。
あれも撮ろう、これも撮ろう、と歩いていったら、30分の本村までの道もすぐでした。
道の途中には畑もたくさんあって、港の漁協の玄関には、ちょっとしたオブジェがつくられていたり。歩く事で直島の暮らし方もほんのちょっとですが感じることができました。
● 家プロジェクト
本村についたのが3時半すぎ。家プロジェクトは4時半で終わってしまうので、とにかく見れるだけ見ようと、とにかく歩いてみる事に。
他に見ている人についていってみたり迷ってしまったりで、結局見れたのは 「はいしゃ」「角屋」「碁会所」「護王神社」でした。
「碁会所」では入場券を買わずに入りそうになったけど、再度入場すると意外と小さな空間。隣には新しい民家もすきまなく立っていました。
中にいる人との距離も近くて、私も自然と監視をしていた方とお話していました。そういう事が自然に出てくる空間でありました。
「はいしゃ」は見る前は果たしてどうだろうか?と思っていたところでしたが、見ている間に思い出したのは、自分がかつて生活していた場所の事でした。
最初に一人暮らしをした大宮の家や、数年前に暮らした高松の家。どちらも一軒家にひとりで住んでいて、古かったので自分で掃除や改造もしたりしてた、そういった楽しかった事をたくさん思いだしていました。
予定のバスを一本伸ばしたら、どんどん人が集まっていて小型のバスは通路まで満席でした。
港につくともう出港まで10分。だんだん寒くもなっていたので、港周辺の探検は次回にして、急いでフェリーに乗りました。
朝以上にフェリーの中は満員。作業着姿の男性もたくさんいらっしゃいました。
● 家路・・・長かった。
宇野港についてみると、次の電車までなんと1時間待ちでした。
宇野線に乗り茶屋町から岡山へ乗り換えてみると、駅探で出た順路より早く新幹線に乗れそうでした。
ちょうど次に来るのは「のぞみ」。確か来る時も「のぞみ」だったから、ちょっと早いけど、いいか、とやってきた700系に乗りました。
行きと同じく、また自由席の喫煙車。20分だけだからガマンしよ、と大人しく座っていましたら・・・
「ただいま姫路駅を通過」
目の前の電光表示板に出た言葉にもうビックリ!
やっぱりのぞみは岡山の次は新神戸だったのです。
あまりの出来事に動転したのか、この時刻だからもう新大阪まで行って特急に乗るしかない!としか思い浮かびませんでした。
こうなると問題は追加の電車代。清算所では「新大阪まできちゃったんですか!」と2度もアタマをかかえられ、電車に乗ったら車掌さんにもビックリされてしまいました。
地元の駅についたのは23時過ぎ。それまでほとんど眠れませんでした。
今回の教訓。
「駅探の結果にはそのまま従え」