2004-03-18 故郷 [長年日記]

_ バイキング心得

あまり眠れずに朝。やはり窓からの景色はすばらしかった。広島にきたことをつよく感じる。朝食はバイキング。いつもながらあれやこれやと取って満腹だったが、本場の(?)外国の方たちはすこしずつ何回も取っていることを学ぶ。今回はたくさん外国の人を見た旅だった。

_ 平和

10時半にやっとこさ平和公園に散策にでる。

まず正面にあるこどもと母の像に。小学生のとき写生大会でこの像を描いたのだが、あとで像の裏から描いていたのに気がついた思い出がある。描いた位置を思い出しつつカメラに収めた。

資料館は今回は見ないことにした。実は資料館にさしかかるあたりから、なんだかウルウルきていたのだった。こんな状態ではこの後もたない。もちろん今の平和な広島への思いもあったけど、「帰ってきた」という思いがとても高まってきたのだった。

慰霊碑に参り、折り鶴の像へ。このときは以外に折り鶴の数が少ないな、と感じていたのだが、ちょうどこの後あの関西学院大学の折り鶴が捧げられていたことを夜ニュースで知った。

そのまま原爆ドームへ。まわりの柳の新芽があざやか。住んでいるときはいつも見ていたので、その建物が体験したことを深く想像しなかったけど、いまはその状況を目の前に思うことができる。

_ 聖地へ

ドームをすぎるあたりから目には行ってくろのは、もちろんあの球場。最後にここで試合をみたのはいつだったんだろう?ほんとに20年ぶりぐらいの聖地だ。

残念ながらチームは、昨日香川、今日岡山に遠征中で中にも入れなかった。しかし球場の外を次々見るだけでもかなりヒートアップ。ついに球場一周し、リーグ優勝とシリーズ優勝の記念碑にも参拝。もういちど元安川ぞいを散策。

そしてこの旅の目的のひとつ、NHKへ。

_ 放送慰霊碑

去年リバー書房で「ヒロシマ 幻の声」という本を買った。その冒頭にでているNHK職員の慰霊碑をみたかったのだ。事前にネットで調べると以前の放送会館のロビーにあったそれは今、新しい放送会館の玄関にあるらしかった。

大きなビルに近付くと、本で見た細長い碑がすぐ見えた。四面のレリーフからなる碑は明るい点描のタッチで絵柄がかいてあった。ここにくるまえには碑が外にでていると痛むのがはやいのに、と思ったが、大通りにあることで、局の中にあるよりいつも身近で見ることができて、これはこれでよかったんだな、と思った。

_ オノ・ヨーコ展

宿で荷物を受け取った後、なんのかんので路面電車を3回も乗り換えてやっと比治山へ。坂をのぼって「彫刻の丘」につくと1本だけさくらが満開。

美術館の入口には「War is over」の大きな看板。これは60年代にジョンとヨーコがはじめた看板だが、いまもって強力なメッセージ。

これから東京に巡回するらしいのであまりくわしいことは書かないが、見終って印象に残ったのは、オノヨーコって意外と人間くさいんだなぁということだった。

今までオノヨーコの著作は色々と読んでいたが、その手法ばかり気になっていた感じ。実際に見ると、コンセプチュアルな中に入っている、オノヨーコが見つけた「人間らしさ」によって、作品が見る側に思わず微笑んでしまうような、やさしさをもって呼びかけてくる。そういう要素があるので、オノヨーコの作品特有の「〜しなさい」という命令口調も、見る側に押しつけられることなく入っていくのだろう。

見る前に美術館の喫茶室で野菜カレーをいただく。800円は痛いなぁと思っていたが、カレーも野菜が大きく、なんといっても食後の珈琲は最高。

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